それは・・
「台本がなかったから」
である。
台本がなかったからこそ
“自分自身”を演じることで
その場は上手くやり過ごすことができたのだ。
しかし、
舞台には・・・
「台本がある」
そして
その作品の世界観が
成立するための「役」には・・
それぞれの「性格」や
「癖」「特徴」がある。
その台本に描かれている「役」の
人間になりきることができなければ・・・
その台本の世界に「嘘」が生じてしまう。
そして、
その「嘘」に対して周りの役が
無理やり合わせることは出来ない。
“辻褄”が
合わなくなるからだ。
たった一つの綻びが、
作品の世界観を壊してしまう。
役者というものは
その一挙手一投足すべてに
「真実」を持たせなければならない。
これが・・・
「役者」という職業なのだ。