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<58> 第3章「職業:役者」~ 君たちは、このチャンスを逃すほかない ~ | 新発田出身カサハラケントの 【コラムって何書けばいいんですか?】

カサハラケント

2023.08.24

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遂に、役者人生初めての”稽古”に参加するカサハラ青年。紆余曲折ありながらも、何とか食らいついていき、自身の演じる役である”神谷椎太郎”のキャラクターをどんどん作り上げていく中・・本番まであと5日というところで、突然、演出家から「遺族たちにもセリフを与えよう」と切り出された。本来ならば喜ばしい展開のはずだが・・・お芝居ド素人のカサハラ青年にとっては、とてつもないプレッシャーとなり、結局、セリフを与えてもらえずに終わってしまった・・そして、フワフワとした、不完全なままの”神谷椎太郎”というキャラクターを引き下げ、ついに”小屋入り。そして、”場当たり”が行われている最中、完全ヤンキーからとある”お題”を出され・・さらにカサハラ青年は、頭を抱えるのであったが・・・遂に、その正解となる”コミュニケーション”の重要さに気づくことができた。さあ、あとはゲネプロを2回こなしたら、ついに本番開幕。だったのだが・・・

前回までのあらすじ

遂に、役者人生初めての
”稽古”に参加するカサハラ青年。


紆余曲折ありながらも
何とか食らいついていき・・


自身の演じる役である
”神谷椎太郎”のキャラクターを
どんどん作り上げていく中・・

本番まであと5日というところで
突然、演出家から

遺族たちにもセリフを与えよう

と切り出された。


本来ならば喜ばしい
展開のはずだが・・・

お芝居ド素人のカサハラ青年にとっては
とてつもないプレッシャーとなり

結局、セリフを与えて
もらえずに終わってしまった・・


そして、フワフワとした不完全なままの
”神谷椎太郎”というキャラクターを引き下げ
ついに”小屋入り。



そして、”場当たり”が行われている最中
完全ヤンキーからとある”お題”を出され・・

さらにカサハラ青年は、
頭を抱えるのであったが・・・


遂に、その正解となる
”コミュニケーション”の重要さに気づくことができた。


さあ、あとはゲネプロを2回こなしたら、本番開幕。


だったのだが・・・


”冒頭のト書きのシーン”から



では、まもなくゲネプロを開始します


舞台監督が各控え場所を周り
役者全員にそうアナウンスをした。

その直後に

オープニングミュージックが劇場内に流れ出す。


すると、ゆっくりと照明が落ちていき・・・・


客席側は完全に真っ暗となった。


舞台裏には少しの明かりと蓄光シールで
なんとか足元は確認できる状態。


では、容疑者役のみなさん、舞台上にお願いします


舞台監督が小さな声で合図すると・・・


首にアイマスクをぶら下げて
両手に手錠を掛けた容疑者役の8人がゆっくりと

ステージ上の自分の座る
パイプ椅子を目掛けて歩き出す。


客席同様、舞台上も完全なる暗闇ではあるが
場当たり中にチェックした蓄光シールの位置などを確認しながら


オープニングミュージックが流れている中
音を立てずに歩いてゆく。


8人全員がパイプ椅子に
座ったことを舞台監督が確認すると


客席後方部に位置する
照明・音声スタッフに向けてインカムで

準備OKですと小声で告げた。


すると・・・

オープニングミュージックは
どんどん音量が上がってゆき・・・


客席を、そして
待機している役者陣を煽りだす。



まもなく
ゲネプロがスタートする合図だ。


そして


オープニングミュージックが
最大の盛り上がりを見せたところで・・


プツンと音が止まる。


すると劇場内に
一瞬の静けさが訪れる。



そして、その直後・・・


「カチャカチャ・・」


手錠がぶつかり合う音が
微かに聞こえ始める。


「ギ、ギィィィ・・」



パイプ椅子のきしむ音も
場内に静かに響き渡る。



そう。その瞬間


”冒頭のト書きのシーン”から

本気の演技のぶつかり合いは開始したのだ。


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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。

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