稽古場へ到着すると、
まだ僕以外に関係者は誰も来ていなかった。
まぁ、せっかくなので、
この時間を使って少し台本を読んでいると・・
スラ男さんが稽古で使う機材を持って現れた。
カサハラ
「おはようございます!」
スラ男
「あぁ、カサハラ君、おはようございます。早く来て台本を読んでいるなんて感心だよ」
カサハラ
「いえいえ、そんなそんな。ちょっとスラ男さんにお願いがあって早めに来たんです・・」
スラ男
「ん?なんだい?」
カサハラ
「実は、お借りした劇中歌のCD・・僕の自宅で再生できなくて、今から稽古場で再生してもらえませんか?」
スラ男
「え、どういうこと?!」
まぁ、たいした”作戦”ではないけれど・・
劇中歌の音源をスラ男さんの音響機材で再生してもらって、
それを”スマホに録音”しよう、そう考えたのだ。
という訳で、
お借りしたCDが自宅の環境ではうまく使えなかったこと、
音源をスマホに録音させて欲しい旨をスラ男さんに説明して・・
稽古場で劇中歌を再生してもらうことになった。
そして・・・・
スラ男
「これで、全部録音できたかな?」
カサハラ
「はい、ありがとうございます!これで家でも自主練ができます!」
スラ男
「主人公はたくさん覚えることがあるからね。頑張ってね」
カサハラ
「はい!」
それから僕は
動きやすい格好に着替えて、
ストレッチをしながら・・
稽古場の片隅で、さっそく
スマホに録音した”劇中歌”を再生してみた。
”楽譜自体”を読むことはできないけれど・・
歌詞が書かれたその紙を片手に
半拍遅れながら歌詞を口ずさみ・・
稽古開始の時間まで
とりあえず劇中歌を聴き慣らす時間に充てた。
すると・・