旅劇団での1年間の役者修行を終えて、
東京に帰ってきたカサハラ青年。
”究極の表現演技”を身につけることで、
社長の求める”究極のリアル演技”に近づくことができる・・はず。
そう信じていたカサハラ青年だったが・・
彼を待ち受けていたのは、
予想だにしない”笑撃”の展開。
コメディ舞台への挑戦だった・・・
UP
「・・・・えーっと、そうですね・・トネガワさん、今のシーンどうでした?」
トネガワさん
「う〜ん・・・・全然ちが〜う。全然面白くない〜」
カサハラ
「・・・えぇ!?!?!?!」
僕は、演出家の
トネガワさんの一言に衝撃を受けた。
カサハラ
「ち、違うとは・・・一体、どう言う感じで違うんでしょうか・・?」
トネガワさん
「う〜ん、そういうのじゃないんだよな〜」
カサハラ
「え・・」
トネガワさん
「まぁ、いろいろ試してみて〜」
カサハラ
「は、はい・・」
な、なんだったっだ・・・
この3日間は・・・
僕にとって初めてのコメディ舞台
つまり”お笑い”への初挑戦。
自分なりにこの3日間は
”お笑い”というものを研究し・・
3つのパターンに分類して
今回与えられた”お化けハンター”という配役を
”シュール”な
方向性で行くことこそが・・・
最適解と見出したはずだった。
しかし・・・
稽古初日の”一発目の演技”で
押されることとなった
『全然ちが〜う。全然面白くない〜』
という最大級の烙印。
しかも・・・
今回の舞台に限っては
押されてしまった、その烙印こそが・・・
僕にとって、
大きな致命傷となりえるのだ。