カサハラ
「え・・僕ですか?!」
UPさん
「そう〜この間も言ったけど、ケントは、この”コメディ舞台”で一番重要な”三枚目”・・つまり”お笑い担当”」
カサハラ
「は、はい・・・言われました・・・」
UPさん
「きっとケントは今、台本をしっかり読み込んで、コメディ演技を作り上げないとって、思ってるだろうけど〜」
カサハラ
「は、はい・・・」
UPさん
「台本を読み込むことよりも、まずは”お化けハンター”というキャラクターの、この作品における立ち位置。そして、この稽古におけるケントの立ち位置ってのを考えてみると、何か変わるかもしれないね〜」
カサハラ
「立ち位置ですか・・・?」
UPさん
「そう〜。まぁ、次の稽古までまた3日間あることだから、1回リセットしてみて、考え直してみてごらん〜」
カサハラ
「は、はい・・わかりました・・・」
その後、またUPさんと最寄り駅まで歩き
反対方向の電車に乗って解散した。
『わかりました・・・』
と返答してみたけれど、実際には
UPさんの言っていることが・・・
僕は全く理解できていなかった。
『”お化けハンター”というキャラクターの、この作品における立ち位置』
『稽古におけるケントの立ち位置』
この2つが
台本を読み込むことよりも重要である・・
一体どういうことなのだ?
これまでの舞台稽古とは
全く違うアプローチの方法に・・
僕はみたび頭を抱えることとなった。