旅劇団での1年間の役者修行を終えて、
東京に帰ってきたカサハラ青年。
”究極の表現演技”を身につけることで、
社長の求める”究極のリアル演技”に近づくことができる・・はず。
そう信じていたカサハラ青年だったが・・
彼を待ち受けていたのは、
予想だにしない”笑撃”の展開だった・・・
カサハラ
「え!?僕に・・・出演オファーですか!?」
出演オファーなんて初めてのこと。
突然の展開に・・・
僕の頭はついていかない。
社長
「正直、私の方で、このオファーを、受けるか、断るか、判断しきれなかった」
カサハラ
「え?・・はい・・・」
社長
「この舞台に出演することになれば、きっと、カサハラにとって、今後の役者人生が、大きく方向転換する可能性があるからだ」
カサハラ
「え?方向転換ですか?・・・一体・・どんな舞台なんですか・・?」
社長
「これこそ、”真の究極の表現演技”を求められる舞台になるよ」
カサハラ
「”真の究極演技”!?・・・それは?・・」
社長
「コメディ舞台。つまり・・・”お笑い”だよ」
コ・・・コメディ!?
お・・・お笑い!?
社長の口から放たれたまさかのワードに
僕は一瞬、いや、二瞬くらい固まってしまった。
社長
「どうするカサハラ。受けるか?断るか?」
カサハラ
「え・・・それは、すぐに決めないとならないものですか・・?」
社長
「そうだな、稽古スケジュールも迫っているらしく、早めに返答をもらいたいらしい。なるべく今日中に決断してほしいな」
カサハラ
「わかりました・・・ちょっとだけ考えて、今日中に返答させて下さい・・!」
社長
「わかった」
その後・・・
レッスンスタジオを後にした僕は
電車に乗りながら・・・
ふらふらと・・・
また”あの地”へと向かっていた。