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<48> 第3章「職業:役者」 ~ ヒノウエさんの言うとおり ~ | 新発田出身カサハラケントの 【コラムって何書けばいいんですか?】

カサハラケント

2023.06.01

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遂に、役者人生初めての”稽古”に参加するカサハラ青年。紆余曲折ありながらも、何とか食らいついていき、自身の演じる役である”神谷椎太郎”のキャラクターをどんどん作り上げていく中・・本番まであと5日というところで、突然、演出家から「遺族たちにもセリフを与えよう」と切り出され・・・頭が真っ白になるのであった。

前回までのあらすじ

遂に、役者人生初めての
”稽古”に参加するカサハラ青年。

紆余曲折ありながらも、
何とか食らいついていき・・

自身の演じる役である
”神谷椎太郎”のキャラクターを

どんどん作り上げていく中・・

本番まであと
5日というところで突然


遺族たちにもセリフを与えよう

と演出家に切り出され・・・

頭が真っ白になるのであった。


そこからハミ出る瞬間

演出家
そうだ、”遺族たち”にセリフを与えよう



「え!?」


せ、セリフだと・・・


よっしゃ・・!


隣にいた完全ヤンキーは
小声でそう漏らした。


他のオーディション組の方を見ても


みな同様にその表情は
喜びにあふれているようだった。


ヒノウエさんもニヤリと微笑んでいた。


しかし・・・


(せ、セリフだなんて・・・恐ろしすぎる・・)


僕にとってそれは
恐怖でしかなかった。


稽古の序盤は何度か
代役でセリフ有りのお芝居も


経験させてもらったとは言え・・・


本役の「神谷椎太郎」として、
セリフ有りとなると・・



それは全く別の話となる。


これまで、演出家から
”神谷椎太郎”に求められていたことは


その場で自然に存在すること。


つまり「リアリティ」。


それを僕なりに、追求し
固めて、そして、かみ砕き・・


少しずつではあるが
「神谷椎太郎」として

その場に立つことが
でき始めている感覚もあった。


しかし・・


ここで

「セリフ有り」となると
状況は一変する。



一体、どんなセリフを与えられるんだ・・


そう。

与えられるセリフ次第では
これまで作り上げてきた


「神谷椎太郎」という人物と
相違が生まれてくるのではないかと・・



きっと、演技経験者にとっては、
そんな場合でも”上手く”対応できるのであろう。


でも、演技経験の
少ない僕にとっては

この10日弱の舞台稽古が、
いわば“僕の演技の全て”であり・・・


そこからハミ出る瞬間


「不安」が大きく
襲い掛かってきたのだ。

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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。

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