結果として・・・・
僕は、その日の審査会で
これ以上ないほどの
“ベストパフォーマンス”
を出すことができた。
一緒に練習に付き合ってくれた仲間も
僕のパフォーマンスに“サムズアップ”。
「よし・・この出来なら、
10月オーディション組に滑り込めた可能性は高いはず。
大丈夫、きっと大丈夫だ・・・」
僕は、心の中で自分にそう言い聞かせ
拳をグッと握りしめた。
そして、審査会の帰り道・・・
さすがに、今回は
”熱海”には行かなかったけれど
いきつけの“カラオケ店”に向かった。
「10月のオーディションまで、あと1か月しかない。
審査会の出来に浮かれてはいられない。
限られた時間で、少しでもスキルアップしなければ・・・」
僕の心はすでに
“10月のオーディション”に向かっていた。
ここでなんか満足していられない。
その日は、夜が明けるまでカラオケで、
ひとり歌い続け・・・
そして、翌朝。
そのまま僕は、
「審査会の結果」が張られている
養成所へと向かった。
前回同様、
審査会の翌日に
“審査結果”
が張り出されているとの
連絡を受けた。
しかし前回とは違い・・
養成所へ向かう足取りは、
どこか軽やかでありながらも、
“しっかりと地に足をついている”
浮ついた気持ちが微塵も感じられないほどの
落ち着きにみちた精神状態だった。
そして、
養成所の扉を開けて・・
“審査結果”の張ってある
掲示板の前まで到着した。
前回同様、すでに何人かが
掲示板の前で自分の順位を確認している。
審査結果に、納得する者、
そして、落胆する者。
その反応は、
人それぞれだった。
そして、僕も掲示板の前に立ち
運命の“審査結果”に目を向けた。
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