翌朝、僕は
少し寝不足のままアパートを駆け出した。
この日は、
稽古参加の”初日”である。
前日のストレッチレディの説明では、
オーディション合格者の
僕ら5人(男性3:女性2)は、
すでに1週間前から
スタートしている舞台の稽古に・・
“途中から”
合流する形になるらしい。
そう・・
すでにプロの役者の方々が
1週間稽古しているところに
僕らは途中から放り込まれるのだ。
その時点で、
かなり大きなプレッシャーではあるが・・
さらに
“大きな懸念点”がある。
前日のストレッチレディの
説明の時点で台本は手渡されたものの・・
「配役」については
一切、説明はなかった。
そう。
つまり、この時点で僕ら5人は、
“どんな役”を演じるかさえ知らされてないのだ。
しかし
ストレッチレディからは
「しっかり台本を読み込んで、準備して来てくださいね」
との一言。
舞台どころか、役者としても、
お芝居をすることに関しても
“完全にド素人”の僕としては・・
「こここ、これは一体、
何をどう準備すれば良いんだ・・」
という、
まさに右往左往、状態。
混迷を極めるばかりだ。
「とりあえず、ストレッチレディに言われた通り
しっかりと台本を読んで明日の稽古に備えるしかないか・・」
と思い、
人生初稽古の前夜は・・
寝る前に枕元で台本を開いて
じっくりと読むことにしたのだった。
の、だったが・・