いきなりのことだった。
主人公のセリフ一発目から・・
突然、強爺に台本読みを止められた。
強爺
「おい、この作品は誰に向けたものだ?」
カサハラ
「えーっと・・小学生です」
強爺
「お前は、その”台詞スピード”で、しゃべり続けるつもりか?」
カサハラ
「え、それは・・」
強爺
「やり直し!」
そう言うと、強爺は
再びスラ男さんに冒頭のト書きから読むよう指示し・・・
”はじめ”から本読みが再開となった。
「(え?え?・・何これ・・)」
スラ男さんが、ト書きを読み終わる。
カサハラ
「(セリフ)う、うわ〜!なんだここはぁ〜!!」
強爺
「ストップ!速い!!」
カサハラ
「え!?」
強爺
「もう一回初めから!」
再び、スラ男さんが冒頭のト書きを読み始める。
そして・・
カサハラ
「(セリフ)うわぁ〜!なんんだここはぁ〜!」
強爺
「もう一回!」
カサハラ
「えぇぇぇぇ・・」
主人公の一発目のセリフをしゃべるたびに・・・
強爺に止められる、最初から、の繰り返し。
それはまさに・・
無限地獄だった。