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<39> 第3章「職業:役者」~ ”正解なき答え”を探していくこと ~ | 新発田出身カサハラケントの 【コラムって何書けばいいんですか?】

カサハラケント

2023.03.02

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遂に役者人生初めての”稽古”に参加するカサハラ青年。振り分けられた配役が”遺族C”というアンサンブル(エキストラ的な感じ)だったため「セリフもないし、稽古もそこまで大変じゃないだろう」などという軽い気持ちでいたのだが、急遽”容疑者役”の代役として稽古にガッツリ参加することに・・・人生初めての舞台稽古で、メインの容疑者8人の代役という・・・これまでかつてないほどの急展開と極限プレッシャーの中ではあったが、なんとか、なんとか、やり過ごすことができたのだが・・その矢先、「ヒノ君、降板」という衝撃の報せが届いたのであった・・・

前回までのあらすじ


遂に役者人生初めての
”稽古”に参加するカサハラ青年。


振り分けられた配役が”遺族C”という
アンサンブル(エキストラ的な感じ)だったため


セリフもないし、稽古もそこまで大変じゃないだろう


などという軽い気持ちでいたのだが、
急遽”容疑者役”の代役として

稽古にガッツリ参加することに・・・


人生初めての舞台稽古で、
メインの容疑者8人の代役という

これまでかつてないほどの急展開と
極限プレッシャーの中ではあったが・・


なんとか、なんとか、
やり過ごすことができたのだが、その矢先・・・


ヒノ君、降板


という衝撃の報せが届いたのであった・・・


絶対に必要な”役”


まさか降板するなんて・・・


ヒノ君が降板した。

僕は、その事態に驚きを隠せなかった。


何故だ・・・

あんなにも大変な思いをして
オーディションを勝ち抜いて

舞台出演”の切符を獲得したというのに。


全く理解ができない。


しかも

完全ヤンキーが言っていたが・・


ヒノ君は誰もが知る
大手芸能事務所

辞めるかもとのこと。


もう・・・

意味が分からなすぎる。


何故、そんな恵まれた環境を
自ら手放すような行為をするのか・・




完全ヤンキー
やっぱり、ヒノ君は降板か~



カサハラ
「え?」



完全ヤンキー
いや、彼のことやから、昨日の稽古初日の様子や、今日稽古に来てない時点でそんな気がしてたわ~



カサハラ
「そうだったんですか?!」



完全ヤンキー
彼はプライドも高そうやから、きっと”遺族たち”って一括りにまとめられた”アンサンブル”の配役が嫌やったんやろな~



やはり、演技経験者の人にとっては、
アンサンブルという配役には、納得がいかないものなのか・・・


カサハラ
「アンサンブルって、エキストラみたいなものですよね?・・・僕は、演技経験全然ないんで、アンサンブルでも舞台に出演できるって決まったときはとても嬉しかったですけど・・これから役者として生きていく為には、やっぱりそれじゃダメですよね



まだまだ自分の考えは甘い。


これから目指していく場所は、
もっともっと険しいものになるはず。


ヒノ君みたいに、

納得がいかなければ辞退するくらいの
覚悟を持たなければならないのだ・・


完全ヤンキー
いや、そんなことないで~



カサハラ
「え?」



完全ヤンキー
アンサンブルも、大事な役割や。作品のクオリティやリアリティを高めるためにも、アンサンブルは絶対に必要な”役”なんやで。



カサハラ
絶対に必要な”役”・・・」



完全ヤンキー
まぁ、ヒノ君の気持ちも分からなくはないで。役者やってるなら誰だって作品のメインキャストを務めたいと思うのは当然や。俺やって、メインの”容疑者役”やれたらなって思ってたけどな。でも、アンサンブルに配役されたからって辞めたりせえへんで。どんな配役でも、その作品の世界で生きている人間としては、みんな、その”価値は平等”や。現実世界でも、人間はみんな平等やろ?



カサハラ
「た、確かに・・・」



完全ヤンキー
役に大小なんて存在せえへん



カサハラ
「そ、そうですね・・・!」



なんなんだ、
この完全ヤンキーは・・・


チャラチャラした見た目だけで
判断してはならない。


僕は、役者としてとても大事なことを、
完全ヤンキーから教えてもらえた気がした。




カサハラ
「ありがとうございます・・!僕、与えられた”役”をしっかり全うします!」



完全ヤンキー
俺もや~!がんばろな~



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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。