何故なのだろう・・
僕の口から出たのは”干拓音頭”の4文字だった。
おじいさん(審査員)
「ん、干拓音頭?を、歌って踊る?どういうことかね?」
カサハラ
「えーっと、僕の地元の新潟県の旧紫雲寺町という地域は、その昔・・・」
僕は、特に聞かれもしなかったが、
”干拓音頭”の・・・
そして、故郷の旧紫雲寺町の歴史を・・
オーディションの場でつらつらと説明してしまった。
カサハラ
「あ、すみません・・オーディションと全然関係のない話をしてしまいました・・」
おじいさん(審査員)
「まぁ、歌って踊ってくれるのなら、こちらとしては選考しやすいですから問題ないよ~!じゃあ、早速どうぞ~」
カサハラ
「・・は、はい!」
そして・・・
僕は無我夢中になって
”干拓音頭”を歌い踊った。
”歌い”といっても
干拓音頭の正式な歌詞は
未だに分からない状態・・
ただただ踊りの”覚え歌”を
ただ必死に歌いながら・・
必死に踊り狂った。
カサハラ
「(これがきっと”最後の舞”になることだろう)」
と、想いながら・・
おじいさん(審査員)
「は~い、ありがとうございました~じゃあ、次の方~」
カサハラ
「あ、ありがとうございました・・!!」
その後・・・
他の4人の参加者も
自己紹介と歌唱審査が順番に行われ・・
その次に”演技審査”が行われた。
演技審査では、事前に用意された
”子供向け作品の1ページ分の演技”
をその場で披露し・・・
流れ作業的な感じで
その日のオーディションは全て終了した。
カサハラ
「(きっと、今回も結果は同じだろう・・・)」
きっと・・・
”不合格”となるだろう。