そして翌日以降も
同じように稽古は続いていった。
容疑者8人のメインの稽古
そして
刑事シーンや遺族のシーンも
その合間に随時行われてきた。
そして
本番まで1週間を切ると
作品の完成度も
かなり高まっていき・・
“通し稽古”も
行われるようになってきた。
(※通し稽古とは、お芝居の最初から最後まで、全編止めずにお芝居を行うこと)
本番と同じように
頭からラストまでを一気に通してみると
これまでシーン毎の稽古で
ぶつ切りとなっていた点たちが・・
どんどんと1つの線となってゆく。
それは、
全体のお芝居だけに留まらず・・
それぞれの
“役の感情”というものも
一本の直線で結ばれる
感覚を肌で感じることが
できるようになってきた。
「(舞台稽古って、本当に凄い・・!こうやって、1つの作品が、1つの役が出来上がってゆくんだ・・)」
僕は、その過程に
大きな感動を覚えた。
ちなみに通し稽古は、
本番と同じ尺で行われるので・・
1回の通し稽古で
2時間近くの時間を要することになる。
そうすると、おのずと1日の中で
稽古ができる数も限られてくることになり・・
本番1週間を切ってからの
毎日の稽古スケジュールとしては・・・
稽古の冒頭に演出家が
“気になるシーン”の稽古をしてから
“1回目の通し稽古”。
通し稽古のあとは
長めの休憩時間をとって・・
そのあとは、
1回目の通し稽古で演出家が
“気になったシーン”の稽古を行い・・
夕方から、
“2回目の通し稽古”。
そして
2回目の通し稽古が
終わるころには
ちょうど稽古の
終了時間である21時となり・・・
そのまま、
その日の稽古は終了。
という流れで、
日々の稽古を過ごすこととなった。