『今日から、君の職業は、正式に”役者”だよ』
そう言われた、あの日から・・・
あの”只者ではない演出家”は、
カサハラ青年にとって”社長”となった。
そう、
ついにカサハラ青年は念願の
”芸能事務所”に所属することが出来たのだ。
その後、
”プロフィール用”の写真を撮影し、
事務所からも色々なオーディションにプロフィールを送ってもらい
”人生初めての撮影”も無事に終了すると・・
とある一通のメールがカサハラ青年のもとに届く。
そのメールの主は、なんとあの”タカモン”。
「良かったら見に来ない?」
その内容は、
彼の”出演する舞台”へのお誘いだった。
カサハラ
「(やばい、ヤバすぎるぞこの舞台・・・!!)」
劇場の規模の大きさ、最高席。
そして、隣には満島ひかりさん・・・
高次元の情報量が目の前を駆け巡り
僕は興奮を抑えきれない。
そして・・
間もなく舞台”金閣寺”は開演を迎える。
カサハラ
「(金閣寺・・原作も読んだことないし、一体どんな舞台なんだろう・・・)」
舞台の内容も気になるところだが・・・
さらに、主演は森田剛さん。
脇を固めるのは、
高岡蒼佑さんに大東俊介さん、中越典子さん・・
そして
その中に、幼馴染の”タカモン”も。
カサハラ
「(こんな舞台を生で見ることができるなんて・・・!!)」
もう、ドキドキは止まらない。
カサハラ
「(よし、こうなったら、とりあえず・・・
トイレに行ってこよう!!)」
僕は荷物を座席の下に置いて
トイレに向かうことにした。
隣に座る満島さんに
「すみません、すみません・・」
と小声で頭を下げて
僕は客席の外にあるトイレに直行した。
この舞台は、途中休憩を含めて
上演時間は”3時間強”。
もし開演中にトイレを
もよおしたくなったら・・OUTなのだ。
そして・・
勝手に自分で名付けているが
僕は”切迫性トイレ意症”を患っている。