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【ライブレポート】終活クラブ1st EP「終活大布教盤」リリースツアーファイナル at CLUB RIVERST

イベント

2023.10.21

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新潟県を拠点に活躍する5人組ロックバンド 終活クラブが、1st EP「終活大布教盤」を8月に全国リリース。全13箇所にも及ぶレコ発全国ツアーのファイナル新潟CLUB RIVERST公演をレポートする

今新潟で最も勢いのあるバンド “終活クラブ”

[MV] 弱パンチで希死念慮 / 終活クラブ

石川県の巨大アリーナロックフェス「百万石音楽祭~ミリオンロック~」のトップバッターとして大抜擢されたことも耳に新しい終活クラブ。「TOKYO CALLING」や「見放題」などのサーキットフェスでは入場規制連発。

キュウソネコカミの全国ツアーのサポートアクトを務めるなど、新潟にとどまらず全国でその名を轟かせている終活クラブが1st EP「終活大布教盤」を8月にリリース。全13箇所にも及ぶ全国ツアーのファイナル新潟公演の会場はツアー初日、中盤、そしてファイナルにも組み込まれ、もう終活クラブお馴染みの箱である新潟CLUB RIVERST。

開場前からRIVERST前には、角で折り曲がっても続くほどの長蛇の列が。この日のワンマンライブはもちろんSOLD OUT。多くの「終」の字バックプリントのTシャツを身につけたファン達が詰めかける。

[Photo by せりか]

LIVE REPORT

前方に詰めてくださいのアナウンスがかかるほど、人で埋め尽くされたCLUB RIVERST。コロナの規制も解除され、正真正銘パンパンのライブハウスが懐かしい。17:29ステージを覆い隠していたスクリーンが上がり始め、拍手が巻き起こる。17:30 BGMのボリュームが上がり、客電が暗転。定刻通りにお決まりの「終活クラブを知っていますか」のSEが流れ始める。この日を待ちわびたお客さん達の大きな大きな期待が空気を揺らし、拍手が衝撃波の如くビリビリ伝わってくる。

羽茂さん(Key.)、ファイヤー・バード(Dr.)、イシダヒロキ(Ba.)、石栗(Gt.)、少年あああああ(Gt.Vo.)の順に終活クラブが登場。パンパンのフロアを見ながら早くもお互いに笑みがこぼれる。

SEが終わり、楽器隊のハウリングと共に轟音を奏で始めると同時に、強烈なストロボがステージを包む。不気味な逆光とストロボに包まれたメンバーからは、ツアーファイナルならではの強者感、ラスボス感が漂い、既に最上級と思われた期待を更に掻き立てられる。
終活クラブ ライブレポート 新潟 RIVERTST リバースト

終活クラブ [Photo by せりか]

少年あああああ(Gt.Vo.)の口から「終活クラブ『終活大布教盤』ツアーファイナル。最高の日にしようぜ!終活クラブ始めます」と1曲目の『残留思念パラドックス』からライブがスタートする。羽茂さん(Key.)がお手本を見せながら、お客さんも腕を上下に元気よくモンキーダンス。初っ端からフロアの熱量が桁違いだ。

輪郭がしっかりとし、胸に響くイシダヒロキ(Ba.)のベース。鋭くも艶やかでテクニカルな石栗(Gt.)のギター。Low-midでコミカルに歌い上げる少年あああああ(Gt.Vo.)の声。ファイヤー・バード(Dr.)の力強く確実に縦を刻みあげるドラミング。優しくもドッシリと構える羽茂さん(Key.)のキーボード。この5人の音で奏でられる総合音楽隊【終活クラブ】がCLUB RIVERSTを踊らせる。

続いて2曲目に終活クラブの代表曲『テレキャスター・テレキャスター・テレキャスター』をドロップ。テレキャスターらしい煌びやかな高音のリフが定期的に脳にこびりつく。バウンスするような縦ノリリフに体が反応してしまう人が続出し、息のあったクラップパートも束の間、サビの爆発力は効果抜群だ。
終活クラブ ライブレポート 新潟 ファイナル

少年あああああ(Gt.Vo.) [Photo by せりか]

「凄いね後ろの人もありがとーー」とびっしりのフロアに笑みがこぼれる。後方のお客さんからも惜しみないレスポンスが絶え間なく送られる。続く3曲目は『卒塔婆でダンス』。フロアいっぱいのお客さんのジャンプでRIVERSTの床が揺れる程だ。2番のAメロでは石栗(Gt.)の奇天烈なダンスも飛び出し、多くの手がつき挙がる。

続いて4曲目は、サビの後半ツービートで駆け抜けるような疾走感とAメロのゆったりとした浮遊感が両立した『四秒までの行脚』。この一見相容れない2つの感覚が不思議とすんなりとFITする。

ファイヤー・バードのドラムでチューニングタイムを繋ぎながら、「『メーデー』という曲をやります」と『メーデー』を披露。オレンジの照明に照らされると共に、丸いリバーブと優しいリフに、時間がゆっくりと進む夕暮れの夏に引き込まれるようだった。羽茂さん(Key.)のピアノが悲しくも優しく奏でられ、少年あああああ(Gt.Vo.)がその空気を噛み締めるように、大切に歌い上げる。

羽茂さん(Key.) [Photo by せりか]

「終活クラブ『終活大布教盤』リリースツアーファイナルCLUB RIVERSTにお越しいただきありがとうございます。ホーム新潟にワンマンで帰ってこれました!」と少年あああああ(Gt.Vo.)から改めて感謝が告げられる。「おかえりー!」の声の大きさが新潟の温かさを物語っている。

「ツアーめちゃくちゃ楽しくて、思い出がいっぱいあってたくさん語りたいけど、ツアーファイナルだから曲をいっぱやって、最後の締めくくりとお祝いにします。」とMCを終え、今回リリースの1st EP『終活大布教盤』の1曲目『嘘マフィア大暴走』を披露。少年あああああ(Gt.Vo.)の特徴的でコミカルな歌い上げに嘘マフィアの世界観がばっちりハマる。

石栗(Gt.) [Photo by せりか]

続いて少年あああああ(Gt.Vo.)名義で発表されている『カルピスソーダについて』が披露され、ワンマンならではの特別感が光る。水色の照明の中、羽茂さん(Key.)の美しいシンセをエッセンスに爽やかな気持ちよさが染み込んでくる。

次に『駄文』から『環状線』と優しくゆったりとした曲が続く。ふわふわと不思議でかつ、柔らかくもミステリアスなリフに、少年あああああ(Gt.Vo.)の歪んだ声がしっくりくる。石栗(Gt.)のレトロなWOOD感満載のギターソロが何とも心地いい。

イシダヒロキ(Ba.) [Photo by せりか]

ここでてんちゃん(ファイヤー・バード(Dr.))とイシダヒロキ(Ba.)のトークショーを挟んだ後、メンバー誰1人欠けることなくツアーを完走出来たことを喜びつつ(なおレーベル代表小林は体調不良で不在公演アリ。。)10曲目『もういいです』へ続く。

1度聞いたら頭から離れないおなじみのリフにお客さんも「待ってました」とばかりに飛び跳ねる。「声聞かせて」の合図から大合唱のシンガロング。クラップも更に力強さが増し、この曲からもう一段階ツアーファイナルのボルテージが上がる。

間髪入れず『エマージェンシーコール』に続く。フロアは上がったボルテージのままアッパーサウンドに身を任せる。不気味なブリッジミュートから、濃縮されたギターソロ、クラップパートから溜めた力を一気にサビで解き放つ。溜まったストレスも吹き飛ぶようなサビの爆発力に中毒的な魅力を感じる人も少なくないだろう。

ファイヤー・バード(Dr.) [Photo by せりか]

続いて『推せをセンセーション』。お決まりのお相撲さんツッパリモーションを羽茂さん(Key.)とお客さん皆で真似をするピースフルな光景に思わず笑みがこぼれてしまう。サビでは大きく左右に手を振り、チョーキングに合わせて多くの拳がつき挙がる。

羽茂さん(Key.)によるワンマン感謝の舞の披露に引き続き、『やさしいおばけの決まりごと』ではイシダヒロキ(Ba.)のセンターボーカルパートも飛び出し、ワンマンならではのレア演出に歓声が止まらない。

終活クラブ [Photo by せりか]

「めちゃめちゃ楽しいやんけーありがとうございます!」と、今回のツアーで出会ってくれた人。県外から来てくれた人。そして今ここにいてくれる人に感謝を伝え、「夏に出たツアーが今では肌寒くなって、でもRIVERSTは暖かくて、季節が変わるにつれて、だから歌うたってるんだよなって思います。歌にすれば永遠だから。季節を歌った歌をやります。」

爽やかな疾走感と切なさが両立した『推定時速500km』ではイシダヒロキ(Ba.)のオクターブ奏法も印象的で、「過ぎた夏の風景」と言う歌詞からも不思議と夏の懐かしさを感じてしまう。

次にアルバムでは離れて収録されている『タイトル未定』、『タイトル未定2』が続けて披露される。爽やかすぎるリフが響き渡り、ライブの後半の疲れた体に深くスっと染み渡る。この3曲には季節を紡いだ歌詞が多く、情景が切り取られた描写がリアルで思わず浸ってしまう。

終活クラブ [Photo by せりか]

少年あああああ(Gt.Vo.)から
「神様っていると思います?僕はいないと思ってるんだけどね。でも神様って必要だよね。嫌なことがあった時に頼るもいいし、それのせいにするもいいし、なにか信じるものがないと生きるのもしんどいでしょ。なんでもいい。自分の好きなモノでもいいし、人でもいいし、いないヒトでもいいかもね。僕達でもいいけど。神様はいないと思うよ。でも必要だと思う。だから作ろうと思ったんだ。僕の大切な神様の曲を聴いてください。『つくる』って曲を」

床置きのパーライトに下から照らされ、メンバーが光に包まれる。壮大で感動的な時間に涙ぐむ人も少なくなかった。

終活クラブ [Photo by せりか]

「ワンマンライブがもうすぐ終わってしまう。もう17曲もやってます。」と残り少なくなってしまったワンマンライブを惜しみながら、「もっと大きいところでワンマンライブ出来るようになりたいし、勇気を貰った気がするわ。ホントにあなたのおかげだよありがとうね。大きくなっていく未来も一緒に見せられるようなライブを精一杯やります。その為にも今日最高の日にしたいんですけど、いかがでしょうか?力貸してくれますか?今日の1等賞取りに行こうぜ『タラッタ人生論』!」

鋭いギターリフ、太く強いベースに羽茂さん(Key.)のシンセサイザーが残る音域を埋めるように差し込まれ、勢いを心地よく加速に持って行ってくれる。ステップ横乗りサウンドのAメロも楽しく、少年あああああ(Gt.Vo.)の歪みの効いたライブアレンジにも磨きがかかっている。

終活クラブ [Photo by せりか]

「後ろもバッチリ見えてんぞー!ありがとう!」と、これまでで1番多くの手が挙がる。ギターソロの1歩手前。待ちわびたかのように大きな手拍子が巻き起こり、元々この曲の1部かと錯覚するほどの一体感を生み出していた。

続く『ハチェットダンス』では羽茂さん(Key.)のミニキーボードがダイブしていく珍場面もありながら、ここまでライブにしっかりついてきた猛者達には「Yes Yes」「No No」のシンガロングも、息の合ったクラップもお手の物。

石栗(Gt.)の超絶タッピング奏法も飛び出した『感情とマキシマイザー』の力強いサビに、さらにぶち上がりながらMCを挟み、本編ラストの曲『キラーチューン』を迎える。

終活クラブ [Photo by せりか]

「すごい楽しかったんですが、皆さんはどうですか?バンドやってると恩を返すのってすごい難しいと思う。あなたがいてくれる事が、どれだけ嬉しいか、、本当にありがとう。『生きててよかった』ってあなたにも思えるような、『終活クラブを応援しててよかった』って思えるような、そんな音楽をやりたいです。最後の最後はちゃんと約束を守って終わりたい。最後まっすぐ歌って終わります、終活クラブでした」

最後の曲『キラーチューン』が始まる。少年あああああ(Gt.Vo.)の音源よりも更に感情的に歪んだ声が、歌詞に滲み出た悔しさを一心に表現している。サビのキャッチーなメロディーは1度聞いたら、しばらくしてから思い出してしまうような心地よい中毒性がある。ファイヤー・バード(Dr.)のキック一つ一つが硬く丸く力強く、個々の日々を鼓舞するような音にも感じた。

終活クラブ [Photo by せりか]

「まだ何も終わってないよ。ありがとうございました終活クラブでした」と笑顔で終活クラブのメンバーがステージを下りる。だがすぐに鳴り止まない歓声が彼らを引き戻す。お客さんの熱は全く冷めていないようだ。

「楽しかったですワンマン!アンコールありがとうございます!皆さんのおかげでめちゃくちゃいい日になりました。最後の最後まで楽しい日にしようよ。終活クラブのアンコール始めます」

アンコール1曲目『弱パンチで希死念慮』をドロップ。イントロのゆらゆらと揺れるリフが帰っても聴きたくなるほど耳残り抜群だ。サビの「だんだんダンス」の歌詞も、これまた頭から離れない。「かっこいいかはわかんないけど、誰かじゃないあなたのてっぺん取りに来ました!」と、再び拳がつき上がりまくる圧巻の景色が広がる。

終活クラブ [Photo by せりか]

「最後に新曲やってもいいですか?」と、この日初披露の新曲『テレキャス2』を披露。「いい加減そろそろバズりたい」のコールアンドレスポンスに客電も呼応し、世紀の大合唱。未発表の新曲なのだが、羽茂さん(Key.)の誘導によりクラップパートを完璧にこなしてしまう終活クラブのファン達。自身の曲である『テレキャスター・テレキャスター・テレキャスター』のセルフサンプリング要素がありながらも、本当に知らない曲なのかと錯覚するほどフロアとの親和性が高い。

「ありがとうございました!終活クラブでしたまたね!」と言いつつ、ダブルアンコールに突入。「肌寒くなってきたけど、RIVERSTが暖かかったから、夏のこと思い出して夏の曲歌ったりもしてさ。今日のことも忘れないでいたいなって思う。音楽ってすごく楽しいね。あなたのおかげです。ありがとう。きっと忘れない夏の曲を最後に」
正真正銘のラスト『絵画を書く』を披露。Aメロではキックとスネアにもリバーブがかかり、幸せな浮遊感に包まれる。羽茂さん(Key.)のピアノが何とも優しくて切なく、ライブを吸収し終えた満足感を膨らませてくれる。

「どうか元気で生きて生きてまた絶対会おうね。ありがとうございました終活クラブでした。どうかどうか気をつけて帰ってね」と彼らを見送る拍手はしばらく鳴り止まなかった。
終活クラブ ライブレポート 新潟 ファイナル
今新潟で最も勢いのあるバンドと言っても過言では無い【終活クラブ】。このソールドした満員のワンマンライブを「まだ何も終わっていない」と表現した彼ら。これから確実に大きくなる終活クラブを、今から推しておくことに絶対損はないだろう。


文:本田達也(TeNYテレビ新潟)

Setlist

01. 残留思念パラドックス
02. テレキャスター・テレキャスター・テレキャスター
03. 卒塔婆でダンス
04. 四秒までの行脚
05. メーデー
06. 嘘マフィア大暴走
07. カルピスソーダについて
08. 駄文
09. 環状線
10. もういいです
11. エマージェンシーコール
12. 推せをセンセーション
13. やさしいおばけの決まりごと
14. 推定時速500km
15. タイトル未定
16. タイトル未定2
17. つくる
18. タラッタ人生論
19. ハチェットダンス
20. 感情とマキシマイザー
21. キラーチューン

En1. 弱パンチで希死念慮
En2. テレキャス2

En3. 絵画を書く

LINKS

[MV] 弱パンチで希死念慮 / 終活クラブ

Live Announcement

10/27(金) 大塚 Hearts+
10/28(土) 吉祥寺 武蔵野音楽祭
11/3(金) NSG大学園祭
11/4(土) 下北沢 KNOCKOUT FES 2023 autumn
11/5(日) 古町 風のリズム
11/8(水) 新宿 ENDSCAPE vol.25
11/12(日) 前橋 aisuru.FES
11/18(土) 吉祥寺 武蔵野音楽祭
11/26(日) 神戸 GOLD FINGER 2023
11/30(木) 新潟 風のリズム ~ SPECIAL THREE MEN ~
12/9(土) 富山 SOUL POWER
12/17(日) 下北沢 BAND WAGON 2023〜冬〜

※詳細は上記公式X(Twitter)、公式サイトをご覧ください。

CLUB RIVERST

■会場
CLUB RIVERST

■住所
新潟市中央区弁天3丁目3-5 新潟マンション地下1階

■電話番号
025-250-0430

■ホームページ
https://clubriverst.org/


※各種情報は取材時のものです。最新の情報は公式サイトなどでご確認下さい。

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