僕が“飲みの誘い”に
乗り気になれない理由は・・
大きく“2つ”あった。
1つは
稽古初日を終えて僕の中で
”役者として生きていく”
覚悟が芽生えたことによる
強い決意があったからだ。
ヒノウエさんを
通じて教えてもらった、
演技をするうえでの
作品を作るうえでの・・
とても大切なこと。
それらに
真摯に向き合うために
この日は直帰して
“台本をしっかりと読み込みたい”
そういう想いが
“本当に強かった”からだ。
そして・・
もう1つ
僕が“飲みの誘い”に
乗り気になれなかった理由。
それは・・
お酒が入ると、
『もう、どうでもいいや~』
と、
現実を逃避してしまう
最悪の傾向があるからだ。
これは、
僕の中でも一番厄介な性質である。
普段はあまり
お酒を飲む機会は少ないのだが、
一度飲んでしまうと
すべてのことに対して・・
「もう、いいや~」
と、やる気がリセットされてしまうのだ。
これは
20歳を過ぎてから大学の友人たちの
誘いでお酒を飲んだ時に
顕著に表れていた。
飲んだ翌日は
家から一歩も出ることなく
いや・・
布団から起き上がるのも
躊躇うくらい、堕落してしまうのだ。
何故そこまで
堕落してしまうのか・・
理由はさっぱり分からない。
特に二日酔いで
気持ち悪くなっている訳ではない。
ただただ、やる気を喪失して・・・
堕落してしまうのだ。
正直、これは
“今の僕”にとって怖すぎる現象である。
初日の稽古で吸収したもの
そして、強い決意のその全てが
お酒の力でゼロになってしまう
可能性が莫大なのだ。
という訳で、飲みの誘いを
強く躊躇っていたのだが・・・
気が付けば
生ビールを注文し、
完全ヤンキーと笑顔で
乾杯してしまっている僕がいた。