舞台の「2次審査」にて、
特技の「トランプマジック」で
好印象を得ることは出来たものの、
予想外の展開で、
重要な”演技審査”では
全く何もできなかったカサハラ青年。
すべての挑戦が終了し
「また日常の生活に戻ってしまうのか・・」
そう思って自宅に帰ってきた矢先、
スマホに届いていたのは
「最終審査のご案内」のメールだった。
まさかの展開に、
喜ぶことも何もできなかったカサハラ青年。
真っ先に出てきた感情は
「明日からの、バイトのシフトどうしよう・・」
と言う、
いたって現実的なものだった。
「明日からの、バイトのシフトどうしよう・・」
だが、実際には
その反応は、あらかた間違いではない。
急遽、明日から3日間の
「最終審査」が決定したことで・・
バイトのシフトも
交代してもらわなければならない。
「大学1年からお世話になっているから、
迷惑をかけるわけにはいかない・・」
よし、困ったときは・・
Nさんに相談だ!!
僕は、まずはNさんに
「最終審査に通過した」ことをさらっと伝えたうえで
「これからシフトを交代できる人を
探さなければならなくて・・」
と話してみると
Nさん
「よっしゃ!ここは私にまかせなさい!」
と、Nさんは
僕のシフトの穴を埋めるべく・・
夜遅くにも関わらず、学生のバイトさんや、
パートさんにすぐ連絡を取ってくれた。
そして、数分後
Nさん
「ケント、代わりが見つかったわ!」
僕
「早っ!」
Nさんの人望もあり、
すぐさま代わりを見つけてくれた。
僕
「本当にありがとうございます!!」
Nさん
「いいのよ!ケントの人生を賭けたオーディションだもんね!
明日に向けてしっかり準備するのよ!」
僕
「はい!」
僕は、Nさんに伝えきれない
感謝の気持ちを持ちつつも・・
特に何の準備をしていいかも
わからなかったので
とりあえず
「遅刻だけはしない」ことを頭に入れて、
すでに冷め切ったコンビニ弁当を胃袋に押し込み
その日は早めに床に就いた。