初日はストレッチレディの「1人」、
そして、2日目は演出家に当てられた参加者「3人」の発表。
僕は、その時の様子をじっくり思い出す。
すると・・・
ストレッチレディと、
他の3人の間にある・・
「大きな違い」に、僕は気が付いた。
それは、
「ストレッチレディの話は、他の3人と違って、
凄くイメージしやすかった気がする・・」
というものである。
参加者とスタッフという立場の違いもあり、
置かれている状況も違う。
しかし・・
それすらも無関係に思えるような、
“全く別の違い”が・・・
ストレッチレディと他の3人には
存在するように僕は感じる。
それは恐らく・・・
「調べて身につけた“新しい知識”が、
ちゃんと“自分のモノ”になっているかどうか」
という部分なのだ。
ストレッチレディの発表には、
単なる”新しい知識”の披露だけではなく・・
その“新しい知識”と紐づけされた
“ストレッチレディの日常”を想像することができた。
それに対して他の3人は、
“自分のモノ”になっていない
自分自身とは切り離された
「新しい知識」を・・
ただただ披露しているだけ、
という印象だった。
『他の人の人生を演じる役者なら、
普段から調べる癖をつけているのが当たり前』
この演出家の言葉を受けて、
その3人は「調べてきたこと」を
しっかりと覚えてきて話していたのだが・・・
もしかしたら「本当の答え」は
そこではなかったのかもしれない。
調べてきた“新しい知識”を
自分のモノにすることによって・・
他の人の人生を演じるための
“土台作り”を固めてきなさい。
そんな“メッセージ”が、
あの演出家の言葉には
隠されていたのかもしれないのだ。
とはいっても・・・
ここまでは完全なる
僕の得意の“妄想”である。
演出家の言葉を
文字通り受け取るのなら・・
演出家は、僕たちに役者として
「調べる癖をつける」ことの重要性を・・
優しく説いてくれていただけかもしれない。
いや・・
よく考えろ。
あの「演出家」のことだ。
僕程度の人間が想像しうることは、
あの演出家は確実に凌駕してくる。
くっ・・
ダメだ・・
考えれば考えるほど、
分からなくなる・・・
いやでも
これだけ考えて
損することはないはずだ・・!
僕は、自分に自信をもって
ストレッチレディが披露したような
「ちゃんと自分のモノにした”新しい知識”」
で、勝負することに決めた。
そして僕は、
電車に揺られながら
短い時間ではあったけれど・・
「自分のモノにできる“新しい知識”」
をスマホで必死に検索した。
そして・・
・
・
・
「よし、この“新しい知識”ならイケる・・・
これならイケるはずだ・・!」
勝負の一手を
手にすることが出来たのだ。