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ポキリ



演出家
「はい、では『調べてきたこと』の発表は、これで終わります。」




この日、発表を当てられた“3人”は、
みな一様に充実した表情をしている。



それもそのはず、その3人は・・
数少ない「チャンス」をモノにできたから。




そして、僕はと言うと・・・



結局最終日も
“指名されることはなかった”のである。






「なんでや!!!電車の中であんなにいろいろ考えてきたのに・・・
何でこうもうまく行かないんだ・・」





準備すればするほど空回りしてしまう現状を
僕は嘆かずにはいられなかった。



「でも、まだ終わってない・・
絶対に諦めてたまるモノか・・」




ポキリと折れてしまいそうな心を、
もう一度支え直し・・

僕は残された”審査”に
すべてを賭けて挑むことに気持ちを切り替えた。

ナチュラルに共謀を仕掛けるしかない



演出家
「では、次の審査は、昨日話した通り、ペアになった相手の「演技」をしてもらいます。まずは、昨日のペアと組んで座ってください。」




きたか・・。



そう、次の審査は
2日目の最後に「事前に伝えられていた」もの。



2人一組になって、20分間コミュニケーションを取り、
相手の癖や特徴を把握し、それを「演じる」というもの。





しかし・・・




その審査内容の全貌は、
「20分間のコミュニケーション」が
終わった後に発表されたため・・・


僕は全くと言っていいほど、
相手(ヒノ君)の癖や特徴を・・

把握することができなかったのである。



しかも・・



この審査のキモは、演技終了後に

ペアの「相手」が
その演技を評価するというところ。



ここで見当違いな演技をして相手に
「全然違う」だなんて言われたら・・・


その評価がそのまま
演出家の評価となってしまう。



「なんて難易度の高い演技審査なんだ・・」



僕は正直、


あの演出家のことだから
前日に「20分間コミュニケーション」を取らせながらも、


最終日に「やらない」という展開も
あわよくばありえるのではないかと期待していたが・・



この審査は「予告通り」
行われることとなった。



もうこうなったら、
この状況を切り抜ける方法は


たった一つ・・・



ヒノ君に、
ナチュラルに共謀を仕掛けるしかない・・!!

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カサハラケント
カサハラケント (笠原賢人) 1988年5月17日生まれ 新潟県新発田市(旧紫雲寺町)出身 2011年、大学を卒業後、 役者・絵描き・クリエイター活動を開始。 役者としては、 主に舞台(40本以上)やCM等で活動。 絵描き・クリエイターとしては、 個人や企業・行政から依頼多数。 横浜の商業施設でのグッズ販売に、 ZeppTokyoで開催されたファッションイベントでは 自身作成のロゴがメイン採用。 2019年には、 地元新発田市の図書館で個展も開催。 また、2018年からは 新発田市と共同でプロモーションムービーを制作。 2021年に高校生とともに企画・制作したCMは 「新潟ふるさとCM大賞」で準グランプリを獲得。 その他にも、 舞台やコントライブの脚本や、 人気バンドユニットの小道具制作など 幅広くクリエイター活動を展開。 将来の夢は、 「新発田で映画を撮る」こと。 そして、全国の人に 「新発田」を「しばた」と 読んでもらえるようになること。

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