舞台監督
「では、まもなくBキャストのゲネプロを開始します」
舞台監督が小声で
全キャストにそれを告げて走り回る。
まもなくBキャストの
ゲネプロがスタートとなる。
Aキャストの時と同様にまずは容疑者役8人が
アイマスクと手錠を準備して、扉の裏に待機し・・
オープニングミュージックが流れるのと同じタイミングで
劇場内の照明もゆっくりと消えてゆき・・
真っ暗闇となる。
その中を、容疑者役の8人はゆっくりと音を立てずに
ステージ上に用意されたパイプ椅子に向かい、着席。
開演の準備は整った。
「(ついに人生を賭けたゲネプロが始まる・・・)」
オーディション組のみなが手に汗握り
固唾を飲みながら、その瞬間を待つ。
そして、
オープニングミュージックが盛り上がりを見せたところで
プツンと音が消える。
劇場内に、一瞬の静寂が訪れる。
それが・・・僕らが
”人生を賭けたゲネプロ”
開演の合図だ・・!