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Aveniell

先日、新潟県民会館のステージイベントで楽曲を披露したことも耳に新しい4人組、Aveniell。赤い照明でジングルが流れる中、4人で拳を合わせて気合いを入れる。Gt/Vo.ななが『Aveniell始めます』と一言。最初の曲は「霞む」。その華奢な体から発せられているとは思えないほど力強い歌声を、Ba.haruka、Dr.Anも含め楽器隊全員コーラススタイルでしっかり支える。激しい照明と轟音の中、荘厳と儚さが共存するなんとも不思議な時間が続く。

Aveniell [Photo by 殖栗卓]

サビの中に細かなリフが印象的に差し込まれた「泣き虫ハロー」。Gt.武藤晴葵のボトルネック奏法も飛び出した「olive」など、曲やセットリストによって様々な顔を持つAveniellの楽曲達は、前述の荘厳さからライブ後半にかけて、透き通るような温かい雰囲気へとフェイズしていく。

Aveniell [Photo by 殖栗卓]

『ライブハウスって色んな感情渦巻くところだけど、私は今本当に楽しいから、ここでまたこの曲が出来るのが本当に嬉しい』と続くは、「あの風に乗って」。爽やかでクセになるギターリフで、その名の通りAveniellの風が駆け抜けるような感覚がなんとも心地いい。Gt.武藤晴葵とGt/Voななのツインボーカルの掛け合いも新鮮で、お客さんの手拍子も優しく重なっていく。『今日のこと絶対忘れません』と最後は、聴いた人を明るく照らす「lamp」で幕を閉じた。続くはホロトニア。
<Setlist>
1. 霞む
2. 戯れ
3. 泣き虫ハロー
4. olive
5. あの風に乗って
6. lamp

ホロトニア

2頭身のアニメキャラクターが冒険に歩を進めるようなワクワク感が煌びやかな新曲、「Dear teto,」でライブがスタートした5人組ホロトニア。バンドサウンドにシンセを加えた特有の浮遊感でロッツを包みこむ。次に披露した「挙げ句」では、ボーカルにラジオエフェクトがかかったパートも印象的で、ゆるやかにフロアを踊らせる。

ホロトニア [Photo by 殖栗卓]

『自分を自分らしくいさせてくれる、そんな人のそばにいられたら、人生ってどんなに素敵な日々になるだろうか』と、「グレーのようだ」をプレイ。丸みを帯びたシンセがなんともキラキラして、タイムマシンで時を越すかのような浮遊感と幻想が表現されていた。そこに歪んだギターソロや、クラッシュシンバルが絶妙に噛み合っていく。懐かしいアニメ劇場版特有の青春感を小突かれる感覚に襲われたのは、「空ヲ舞エ」。

ホロトニア [Photo by 殖栗卓]

『最初に出たのは2011年かな?マンモスチキンばっかり食べてた記憶を懐かしんでました。小林さんが顔合わせの時、“最後だけど、しみったれないで、未来に繋がるような日にしよう”って言ってて、本当その通りです。今までだって繋がってきたし、これからだって“新潟にチェックメイトってイベントがあったんだ”って、新潟の音楽好き皆が言えると思うんだ。最後のチェックメイト、目一杯噛み締めて帰ろう思います』と、「ロボットの国、最果ての月。」を最後に、ホロトニアの幻想的な30分が終了する。
<Setlist>
1. Dear teto,(新曲)
2. 挙げ句
3. グレーのようだ
4. 空ヲ舞エ
5. ロボットの国、最果ての月。

ザ・シスターズハイ

先日自身のワンマンライブで渋谷クアトロのステージを踏んだ、ザ・シスターズハイ。チェックメイトDAY2の前日に出演した東京のサーキットフェスでは、入場規制がかかるほどの人気ぶりでこの日もロッツのフロアは多くのお客さんで埋め尽くされていた。上京を果たし、東京で大活躍。少しの寂しさ半分、上昇気流の嬉しさ半分。小林さん主催のCHECK MATE、弁天周遊祭、ANTENNA SHOPのステージでシスハイが定期的に帰ってくるのを待っていた新潟のファンたちも物凄く多いはずだ。

ザ・シスターズハイ [Photo by 殖栗卓]

Gt.まさやんぐ特製の可愛らしいSEが流れ、フロアもクラップでメンバーを迎える。ピンクの照明に照らされ1曲目は「pink pink vibration」。12連のキメもお客さんと息ぴったりで、Gt.まさやんぐの背面ギターソロも飛び出し、続くは「リ・ルミナスのじゅもん」。Dr.椿のテクニカルなスネア捌きの中、『これで最後ですよ!泣いても笑ってもあなたの人生で最後のライブになるかもしれない。一緒にいってくれますか?』と、ゆらゆら揺れる幾何学的なリフでロッツを酔わせたのは「絶望MAQUIA」。

ザ・シスターズハイ [Photo by 殖栗卓]

『まさやが初期メンバーなんだけど、バンド組み始めた頃は、チェックメイトに出るためにやってました。ここがゴールだと思ってました。楽曲もそうだし、マインドもそうだし、チェックメイトのおかげで僕らはこうやって形になってます。確実に僕たちの一部になってます』
『1つ皆に約束したいのが、僕たちは必ず夢を叶えます。夢にチェックメイトした時、王手した時に、このイベントのこと、今こうやって見てくれてる皆さんの事を話したいなと思ってます。チェックメイト自体は終わるんですけど、心の意志として、チェックメイトを連れていくので、その日を楽しみに待っててください。先週、渋谷クアトロでワンマンをやって来ました。僕らはガチでZeppも武道館も、アリーナもやるつもりでバンドを続けております。なので、また会いに来てくれると嬉しいです。16年情熱と優しさで走り続けた小林さんと、チェックメイトを愛してくれた皆さんに送ります』と、続くは「拝啓、then」。

ザ・シスターズハイ [Photo by 殖栗卓]

ゆるやかなギターボーカルのみのパートから、ギター、ベース、ドラムの順で寄り添うように加わり音が増す。1分38秒の後、圧倒的なサビへと突入。続くシスハイ最後の曲は「シスター」。歌詞を“新潟”に言い換えた部分もあり、より一層気持ちが歪みに乗る。『せいぜい夢を語れこの街でずっと』のフックには、どんどん先に行く背中を見るようで、頼もしさすら感じてしまう。フロアに降りてギターを引き倒すまさやんぐのケーブルを捌くのもまた小林さんだ。恐らくこの光景も、もうしばらく見れない。
<Setlist>
1. pink pink vibration
2. リ・ルミナスのじゅもん
3. 絶望MAQUIA
4. eんパす・iん・tHe・ルーむ
5. 拝啓、then
6. シスター

終活クラブ

リハではGt.石栗が「シスター」のリフを耳コピする場面もありながら、この2日間の大トリ・終活クラブのステージが幕を開ける。Gt/Vo.少年あああああが開口一番、『何かが終わる時に必要なのは、寂しい言葉でも悲しい顔でもない!未来への希望だけだろうが!』と、このライブにかける思いも人一倍溢れている。1曲目は「創作逆モラトリアム」。爽やかでクセになる音で、鼓舞されるようなサビの後、ストロボに包まれながら『チェックメイトを終わらせに来たぞ!』と続くは、「残留思念パラドックス」。全力のライブにお客さんの熱も伝播が止まらない。

終活クラブ [Photo by 佐藤なつ]

『チェックメイトとの出会いは学生時代で、軽音部のOBの人が突然部室にきて、“チェックメイトってイベントに出るんだけどチケット買ってくんね?”って言ってきたの。そういうの断れない性格だから、買って見に行ったら知らないバンドしかいなかったけど全員かっこよくてさ、その時から今もずっと憧れてるイベントなんだな。こうやって一区切りが付いて、無くなるのは悲報に聞こえてしまうんだけど、“大トリやらせてくれ”って言ったの僕なんだよね。今日はその責任を果たそうと思う。その責任はあなたにとってめちゃくちゃかっこいいライブするってことだわ』

終活クラブ [Photo by 佐藤なつ]

『もしあなたが自分のこと嫌いだったり、自分のことダメだなと思ってたとしても、全部大丈夫にしてやるぜ!なぜなら僕の方がずっとしょうもないからです』と、続くは「しょうもないなぁ」。Key.羽茂さんも全力で空を切るパンチでOiコールを煽り、見渡す限りびっしりと拳が突き上がる。赤い照明に包まれながら、Ba.イシダヒロキの超絶スラップを合図に「マイ魔法陣を囲むダンス」をドロップ。チャイナ風のピースフルなリフから、不気味なAメロまで多面的に変化するこの曲のサビでは、全員で全力ジャンプ!再びロッツの床を揺らす。

終活クラブ [Photo by 佐藤なつ]

『何かが終わったって、何かが変わったって大丈夫だぜ。なぜなら君の好きな音楽が、君の好きなバンドがちゃんと君を救うからだ!』と、「ハイパー005」をプレイ。エネルギッシュだが何処か儚く、上も下もなく同じ目線で手を取ってくれる。そんな終活クラブのアンコールは「キラーチューン」。今日も彼はテレキャスターをかき鳴らす。『まだなんも終わってないよ。終活クラブでした』と言い残し、主催の小林さんへマイクを渡す。

終活クラブ [Photo by 佐藤なつ]

<Setlist>
1. 創作逆モラトリアム
2. 残留思念パラドックス
3. 弱パンチで希死念慮
4. しょうもないなあ
5. マイ魔法陣を囲むダンス
6. テレキャス2
7. ハイパー005
en. キラーチューン

主催・小林さん [Photo by 佐藤なつ]

『チェックメイト16年、全23回が終わり、クラブリバーストの店長・安澤も離れたりして、色々なことが一区切り着きましたが、“これが変換期”、終わりじゃなくて始まりだと思います。今日出てくれたバンドだったり、新潟で頑張ってるバンド、イベンター、ライブハウスがこれからどんどん新しいことを産んでいけるチャンスが増えたと思っていただいて、どうかこれからも新潟バンドを応援してやってください』と締め、CHECK MATEの長い歴史は遂に幕を閉じた。
終活クラブが6/29(日)に同会場NIIGATA LOTSにて、メジャー1周年記念公演の開催を発表。DAY1のInvert Hourglass、The MadpotatomanのMCでもあった通り、イベンター、ライブハウスキュレーションではなく、バンド主催の自主企画達がより一層牙を研ぎ始めるだろう。チェックメイトという大きな存在を失い、新潟のバンドシーンはどう変換期を迎えるのか。チェックメイトを目標に切磋琢磨してきた新潟のバンド達は、今後どこを目指すのか。これからも目が離せない。

文:本田 達也(TeNYテレビ新潟)

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